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2017年6月13日火曜日

ヘルペスワクチン最前線 12: NE HSV2 点鼻型ワクチン



皆さん、お久しぶりでございます。今日(2017年6月13日)は月曜日ですが、皆さん、楽しい週末を過ごされたことと思います。これから夏になり、水の事故が増えると思いますが、キャンプや海水浴ではくれぐれもお気を付けくださいませ m(__)m

では、お待たせいたしました…、「ヘルペスワクチンリスト解説 第12弾!」でございます。

今回はほんの少し前にご紹介した、アメリカ ミシガン州にある NanoBio という会社が開発している「点鼻薬型ワクチン NE HSV-2」についてでございます。以前の投稿については、こちらでご確認ください。
本当は昨日(月曜日)に投稿しようかと思っていたのですが、思ったよりもリサーチが大変で…、ちょっと少し時間がかかってしまいました…。スミマセン…。
というわけで、今回のお題に入らせて頂きます m(__)m

2017年4月30日日曜日

ヘリカーゼ プリマーゼ阻害薬(Helicase–Primase Inhibitor)について調べてみました

前の投稿から、大分時間があいてしまいました…。

仕事(というかやりたいこと&やらなきゃいけないこと)がてんこ盛りになっておりまして…、投稿するのに時間がかかってしまいました (´・ω・`)


さて、今日の話題ですが…。

以前、このブログでも取り上げておりました AIC316(Pritelivir)とも関連がある「ヘリカーゼ プリマーゼ阻害薬 Helicase–Primase Inhibitor」について簡単にですがまとめてみました。


(1)これまでの薬剤について

こでまでの薬剤で代表的なものとしては、皆さんもご存知の、

・薬剤名 アシクロビル(商品名 ゾビラックス)

・薬剤名 バラシクロビル(商品名 バルトレックス)

があります。

アシクロビルは1970年代にアメリカで開発された薬品で、HSV1-2の両方に処方される薬として非常に活躍してきました。それから約20年後にバラシクロビルが開発され、バルトレックスとして多くの人に使われるようになったのですが、これら2つの薬剤に共通する特徴は、HSVウィルスが自らのDNAを複製するプロセスで必修となるRNAのコピペを阻害する働きをしている点にあります。

RNAの複製を阻害する点においてはゾビラックスとバラシクロビルの違いはほとんどないようなのですが、ゾビラックスに比べてバラシクロビルの方が吸収率が良いので一回の服用でも効果が長続きするという点で違いがあるようです☆

上記二種の薬剤に加えて、バルシビルという薬がありますが、これはバルトレックスのジェネリック薬になりますので、効果はバルトレックスと同じということになります。

ここまでの説明は、色んなサイトで紹介してあるようなので、ご存知の方も多いかと思います。

(追加)
薬剤名 ファムシクロビル(商品名 ファムビル)もありますが、機能は上記のアシクロビル、バラシクロビルと同じく、RNAの複製阻害を目的としたもののようです。


(2)ヘリカーゼ プライマーゼ阻害薬 Helicase–Primase Inhibitor について

2000年に入り、ゲノム編集などの分野で技術革新が進んだことにより、「RNAの複製自体を止めてしまう薬剤」の開発が可能になってきました。これにより、ヘリカーゼ プリマーゼ阻害薬の開発が可能となったわけです。

ゾビラックスやバラシクロビルは当時としては非常に画期的な薬剤だったのですが、ウィルスの方もこれに耐性を持つものが出てきたらしく、URLの複製に必要な UL30、UL42 という酵素を持っていないウィルス(おそらくは、UL30やUL42を使わずにRNAの複製を行えるウィルス)が出てきたようなんです…。これは、つまりゾビラックスやバラシクロビルがこれまでターゲットとしていたモノを持たないウィルスが出てきたということであり、「破壊できるミサイルはあっても、ターゲットがないので効果がないという感じになってしまったわけです。(もし表現や理解に間違いがあるようでしたらご指摘お願いします☆(^^♪)

そこで、新しいターゲットとして目を付けたものが、

  「RNAを複製する大元の酵素」

であり、それが、今回紹介する阻害薬がターゲットとする、UL5、UL8、UL52の3つの蛋白質から構成されている「ヘリカーゼ プライマーゼ複合体」なのです!

ここからの説明は、石原先生のブログに詳しく記載されているので、先生のブログをかいつまみながら紹介したいと思います☆

まず、ゾビラックスやバラシクロビルがターゲットとする酵素(UL30、UL42)のある場所とヘリカーゼ プライマーゼ複合体の場所を図示すると、以下のようになるようです。




DNAが二重らせん構造をしていることは皆さんご存知のことかと思いますが、細胞分裂をする際にはこれらの二重に絡み合うDNAが一本ずつに分かれる必要があるのですが、この分岐点となるのがヘリカーゼ プライマーゼ複合体であり、「この分岐点を機能不全にすることでウィルスの増殖自体をストップしてしまおう」というのがヘリカーゼ プライマーゼ阻害薬 Helicase–Primase Inhibitor と呼ばれるもののようです。


(3)具体的な開発は?

ヘリカーゼ プライマーゼ阻害薬が具体的に治験として登場したのは、このブログでも以前よく取り上げていた AIC316(開発名 Pritelivir プリテルビル)で、2014年(多分?)の Phase 3 の段階で副作用の可能性が指摘され、治験は現在でも中止となっているようです…(非常に残念ですが…)(´・ω・`)

その他としては、日本のアステラス製薬が開発し、マルホと共同で治験を展開している ASP2151 が2015年段階でPhase 3の治験を行っています。ASP2151については「治験がSuspendされた」といった旨の記事をUPしていたかと思いますが…、どうやら治験は継続しているようですね!時間がある時に少しリサーチしてみたいと思います。


ASP2151 についての治験情報は、以下のサイトでも確認できます。
http://www.clinicaltrials.jp/user/search/directCteDetail.jsp?clinicalTrialId=14417


Pritelivirに関しても少しリサーチしてみたところ、結構面白い情報が掲載さてれていました!GW期間中に少し時間を取ってリサーチしてみたいと思います。


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個人的な感想としては、

  • 多分、ヘリカーゼ プライマーゼ阻害薬が承認されるまでには、まだかなりの時間がかかりそう…
  • ワクチンの承認はもっとかかるだろうが、TheraVax の承認が早いかもしれない…

という印象を持ちました。

いづれにしても、TheraVaxだけではなく、もう少し範囲を広げてサーチしてみたいと思います。(^_-)-☆




2017年2月1日水曜日

新ワクチン開発 三本の矢でHSV撃滅

この数日、ちょこちょこと新しい情報を手に入れてはいたのですが、あまり、ガツンと来るものがなかったので少し熟成をしておりました…。

そこに飛び込んできたのが…!

   「University of Pennsylvania が新ワクチンを開発中!」

というもので、読んでみるとなかなか面白そう&期待できそうなので、UPすることにしました☆


記事の原文は、以下のサイトから見ることができます。

Genital herpes vaccine shows promise in animal trials

UNITED PRESS INTERNATIONAL
By Dennis Thompson, HealthDay News
Jan. 19, 2017 at 4:03 PM

http://www.upi.com/Health_News/2017/01/19/Genital-herpes-vaccine-shows-promise-in-animal-trials/9591484859232/


【記事の概要】

今回の記事は、ペンシルバニア大学免疫学講座のHarvey Friedman教授が中心となって研究を進めてきたもののようです。

この研究の特徴的な点として

  • HSV2(性器ヘルペス)をターゲットとしていること

を挙げることができると思うのですが、それと併せて…

  • HSV2に対処するための 「三本の矢」 を隠し持っている

    (原文では "Trivalent Vaccine Targets" となっています)


点で特徴的であると考えられます。


「三本の矢」といえば、何と言っても、

毛利家 「三子教訓状」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E5%AD%90%E6%95%99%E8%A8%93%E7%8A%B6

が有名なわけですが、今回のワクチンもそれと似たところがあるようです☆


気になるその「三本の矢」ですが…、上記の記事では、次のように解説をしています。

Potential vaccines developed in recent years have largely targeted the aspect of the virus that helps it break into host cells. But these vaccines have not shown very robust protection in animal and human trials.
Friedman and his colleagues decided that an effective vaccine must not only prevent the virus from infecting cells, but also must remove the virus' ability to evade detection by the immune system.
The new vaccine induces an immune response that produces three antibodies targeting different aspects of the genital herpes virus. Two of the antibodies prevent the virus from blocking the immune system, while the third prevents the virus from entering cells, the researchers said.
"In essence, we're stimulating the immune system to attack the virus and at the same time preventing the virus from using some of the tools it has to thwart that immune attack," Friedman said.
最近のワクチン研究は、HSVウィルスを宿主細胞に侵入させないようにすることをメインに」考えていたようだが、Friedman教授らの研究は、宿主細胞への感染だけでなく、ウィルスが免疫機構をすり抜けてしまう能力に対しても対応している。
研究者によると、同研究ではHSVウィルスの特性に対応した3つの抗体を誘発するようにしており、2つの抗体はウィルスが免疫機構の働きをすり抜けるのを阻止し、そしてもう一つの抗体はウィルスが宿主細胞内に侵入するのを防ぐ働きをする、ということである。
Friedman教授によると、「つまりは、 HSVウィルスを攻撃するために免疫機構を刺激し、同時に免疫機構の攻撃を妨害している手段を使えなくするようにしている」ということのようだ。

もうちょっと調べてみないとわからないことも多いのですが…、まぁ、このワクチンにより、

  • 免疫機構からのすり抜けに対応する抗体
  • 免疫機構を活性化する抗体?
  • 宿主細胞への侵入を防ぐ抗体

の3つを同時に作るようにしているのではないか、と考えられます。


つまりは、毛利家の「三本の矢」のように


「1つの抗体では対応できない可能性が高いので、2つ、3つの抗体で対抗する」


ということのようですね☆(^^♪


【その他】

現段階では、いまだ動物実験の段階のようで、実際の治験を支援してくれる企業を探している段階のようです。

それでも、動物実験での結果は出してきているわけで…、

それによると、

  • サルを使った実験(計6匹)では、
    • ワクチンを投与された4匹が強い免疫反応を示した
    • 3匹がウィルス感染に対する強い抗体反応を示した
  • ギニーピッグを使った実験では、
    • 98%の個体がウィルスに感染しなかった
    • 95%の個体で生殖器にウィルスを確認できなかった

という効果を確認できているようです!


「ウィルスのすり抜け」だけでなく、「宿主細胞への侵入」を防ぐことができるという点、それに動物実験で強い抗体反応や生殖器からのウィルス排出をかなり抑えることが出来たという点を考えてみれば、

   ウィルスの感染だけでなく、ウィルスの排除にも効果がある

と期待できるかもしれません!


まだ実験数も少ないようなので、これからなのかもしれませんが、少し注目していきたいと思うワクチン開発研究でした☆(^^♪


感想やリクエスト、励ましのメッセージなどがありましたら書き込みをお願いします (^^)/


2011年11月14日月曜日

2012年 HSV治験リスト

私がよく利用するサイトに、「2012年に予定されているHSV治験リスト」が載っていましたので、ちょっとだけ解説を加えてみたいと思います…。

2011年10月17日月曜日

スゴイぞCoridon!HSV完治ワクチン?

ちょっとすごい記事を発見しました!

何と、以前に紹介した Coridon教授のチームが開発したDNAワクチンが…、

HSV2ウイルス感染を完全に阻止することに成功した

ようです!

2011年10月13日木曜日

治験Phase毎のまとめ

2011年1月時点での情報なので、ちょっと古いかもしれませんが(汗)、現在行われているHSVに関する治験をPhase毎に分類したものを見つけました。これからも、色々な情報がでてくると思うので、「HSV治験21」とあわせて参考にしてみてください。

2011年10月11日火曜日

やるじゃん、Coridon

Allied Healthcare Group(AHZ)が発表したところによると、AHZが筆頭株主となっている Coridon Pty Ltd が…、

「開発を進めているHSV2ワクチンが高い効果を示した」

ということのようです!

2011年10月9日日曜日

Tenofovir 治験(Phase 4)開始!

以前、「治験検索サイト情報」で紹介した…

ClinicalTrials.gov
http://clinicaltrials.gov/ct2/home

を検索してみたところ、「おっ!」と思うような情報が表示されました…!

それがまさしく、今回の投稿のタイトルにある、

「Tenofovirの治験参加者、現在募集中!」

ということであります!

2011年9月30日金曜日

インド HSV新薬開発マジか!

ちょっとスゴイニュースが入ってきました!

これが本当なら、朗報です!


Presidency Collegeはインドのチェンナイにあるマドラス大学に属するカレッジで、マドラス大学の母体となった大学なのですが、(多分同大学内にある…汗)インド文部科学省バイオ局(DBT:Department of Biotechnology)のBio Informatics Infrastructure Facility Centreからの報道によると…、

Beech Trees に新しい動き?

以前、「HSV 研究・治験21 No.9 Beech Tree Labs」で紹介したBeech Treesですが…、

どうやら多少動きがありそうですね…!

私が時折訪れている、HC Support Networkを覗いていたところ…、


「Beech TreesがHSV2にも研究開発を拡大するようだ…」


という情報が飛び込んできました!

2011年9月27日火曜日

新薬開発状況

今月17日~20日(2011年9月)まで、アメリカのシカゴで 51st Interscience Conference on Antimicrobial Agents and Chemotherapy (ICAAC) が開かれたようで、そこでHSVに対する治療について注目の発表が2つほどあったようです!

その一つは、AIC316の治験Phase II結果に関するものでして、この情報については、以前まとめていたと思います…。(興味のある方は、「AIC316 Phase II 結果!」を参照してください…)

そして、注目のもう一つが、みなさんも知りたいと考えている…、

「新しいHSV治療薬ってどういうのがあって、効果ってどうなの?いつごろ出来上がるの?」

という疑問に答えるもののようです…。