最新ヘルペス ワクチン開発情報第2弾です☆
今日はのお題は、「HSV529」(旧 ACAM529)でございます!
以前にも、このブログで取り上げたことがあるのですが…、HSV529はハーバード大学が Sanofi Pasteur との共同研究で開発を進めている「生ワクチン」で、おそらく効き目としては…、
Dr Halford の TheraVax ProfaVax に引けを取らないのでは…
と考えられているようです。まさしく、「ガチンコ」というわけですね☆(^^♪
【補足】
今回集めた論文などがかなり専門的だったので、十分なリサーチができないまま、情報をUPしているところがありますので、ご注意くださいませ…。 なんせ専門分野ではないので、お許しください…。(´・ω・`)
(1)HSV529の仕組み
ここは、理解するのにホンマに苦しんだのですが…、どうやら、HSV529は…、
HSVウィルス内にあるタンパク質の中で、複製に関わる2つのたんぱく質 UL5とUL29 の基となるDNAをノックアウトしたウィルス
が基になっており(これが、研究の基になったdl5-29)、そのノックアウトウィルスを特殊な手続きで純粋化(Purificationと書いてあったので、多分…)したものが ACAM529、そしてそれをさらに純粋化したものが HSV529 のようなんです…。このプロセスについては、いろいろと説明がなされていたのですが、ちょっと専門的過ぎて分かりませんでした… 汗。スミマセン… m(__)m
特徴としては、水痘ワクチンやTheraVaxと同じように、
抗原となるウィルスの情報がほとんどワクチンの中に含まれている
という点で、これまで開発が進められてきた DNA ワクチンとは一線を画すものになっているようです。(DNAワクチンと生ワクチンの違いは、このシリーズの01を読んでください)
(2)開発の現状は?効果は?
HSV529 は、現在治験 Phase 1が終わったところ(予定では、2017年3月6日に治験が完了)のようで、具体的な結果はこれからの分析次第ということになります。
効果に関しては、ギニーピッグを使った動物実験では結構いい成績を残しているようなんですが(ちょっとここは私も十分に確認ができていませんが、「いい成績であった」ことは確実なようです。
Wiki様での記述を見てみると…、
It has also been shown that the vaccine induces strong HSV-2-specific antibody and T-cell responses, protects against challenge with a wild-type HSV-2 virus, reduces the severity of recurrent disease, provides cross-protection against HSV-1.
ということのようですので、
HSV-2に特化した抗体の生成やT細胞の反応を引き起こし、HSV2の野生株にも十分な耐性を示し、再発時の症状を低下させ、HSV1対しても効力を示した
点で非常に期待ができるのでは!と考えているわけです。
(3)で、期待はできそうなの?
正直なところ、まだ2013年から開始された Phase 1 が完了したばかりなので、実際の効果を予想するには不十分な点も多いと思います。先に示した効果も、あくまで「動物実験」のレベルなので、人間でも同じ効果が表れるかどうかは非常にあやしいところです…。
ただ、ここで別の観点から見てみると、HSV529が「結構な有望株である」ことが浮かび上がってきます!
まず、第一に、
基礎となった dl5-29を作った研究者が、ハーバード医学部教授の David M. Knipe であること
は結構大きいと思います!ナイプ博士のご専門は、そのものズバリ「単純ヘルペス」で、特にHSVウィルスの活性化・不活性化のメカニズムを長く研究されてきた方のようです。
時代に先駆けていち早くマイクロバイオロジーの分野を極めてきたというだけでなく、ハーバード大学という超一流の大学で研究を続けてこられたことも、この研究を有望株に引き上げている要因であると思います。
それから、第二に、
世界有数の製薬会社である Sanofi Pasteur が研究を全面的にバックアップしている
ことが大きいですね!2016年の製薬会社世界ランキングを見ると…、
となっており、Sanofi(フランス)は世界6位につけています。ちなみに、日本の製薬会社は、以下の表のように、
- 武田製薬 18位
- アステラス製薬 20位
- 大塚製薬 24位
となっています。その中で6位につけているわけですから、かなりの規模であることが分かりますね。上の表を見る限り、大塚製薬の3.5倍はあるんじゃないでしょうか?( ゚Д゚)
製薬には非常に大規模な予算が必要で、その予算の裏付けがないと、いくら良い研究でも実際に薬ができないわけです。海外の大学は、大学自体がベンチャー企業をいくつか持っていたり、大学自体が銀行を持ってたりしていて、外部企業からの資金援助や企業との共同活動を非常に円滑に進めることができるようになっているんです…。このような、企業と連携しやすい環境・システムとハーバード大学というネームバリューが複合的に作用することで、企業からの大規模な資金的裏付けを得ることができるわけなんですね!
これはオマケ的な意味合いかもしれませんが、Sanofi 以外にも Immune Design というバイオ系の会社が共同研究をしているようで、具体的には、
ワクチンの働きを補助するアジュバントとして Immune Design が開発した G103 を提供する
らしいです…。Sanofi のホームページには、2014年付けで上記2社との共同研究に関する声明が発表されており、多分、今も継続してしているのではないかと思います…。
ちなみに、2014年付けで掲示されていた声明文は以下のようなものです。
この文書には「Sanofiが全面的にこの研究をバックアップする」と書いてあることを見ると…、
かなり期待できるんじゃないかなぁ…
と思っています☆
ちょっと時間がなくて、十分なリサーチができないままにUPしてしまいましたが…、いかがでしたでしょうか?
また、新しい情報がUPされたら、報告したいと思います☆(^^♪
では、次回をお楽しみに☆(^^)/
銭形でございます…。
返信削除以前、どこかで、このHSV529(ACAM529)に関して、Dr Halfordが批判しているページを見たことがあったのですが、ご存知の方はいらっしゃいませんか?ずーっと探しているんですが、分からないもので…。良かったら、教えてもらえば助かります… m(__)m