2011年9月13日火曜日

HSV 研究・治験21! (4 & 5)

4. CAPRISA 004, FACTS 001 & FACTS 002

いずれも、Gilead Sciencesが進めているHIV、HSV2感染予防を目的とした治験(Phase III)の名称です。治験自体はアフリカで行われているのですが、2011年9月に治験が開始される予定(9月1日現在で被験者を募集中…)のようです。

FACTS001は2,200名の女性(18-30歳)を対象とした大規模な治験となるようですが、FACTS002は対象者を「16-17歳の女性」(合計2,200名)としていることから、FACTS001よりも対象を絞ったものになっているようです。いずれの治験も、約2年間行われる予定のようです。

FACTSに関してはこのブログでも以前取り扱ったことがあると思いますが、女性の膣内に塗って使用する「Vaginal Gel(膣内に塗るジェル、テノフォビル1%を含む)」を使った治験で、もともとは「女性のHIV感染を防ぐ」ために計画されたのですが、HSVにも効果があることが判明し、「HSV感染防止」も治験の対象となったようです。治験Phase IIbでは、HIVに関しては39%、HSVに関しては51%、感染を低減させることに成功したようで、コンドームに塗って使うHSV感染防止薬「Vivagel」よりも早く市場に出るのではと期待されています。

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5. Acam-529

製薬会社Sanofi PasteurとDr. Knipeによる研究で、HSV2ウイルスに対するワクチンの開発に関するものです。

この研究の特徴は、「生HSVウイルスを使っている」ところで、(おそらく)遺伝子操作などで毒性を抑えたウイルスを基にワクチンの開発を進めているようです。

Phase Iの治験は2012年内に行われるようですが、この生ワクチンは、HSVだけでなく「水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV:varicella zoster virus)」の治療にも効果があると考えられており、非常に期待されているワクチン研究の一つです。

また、この研究に関しては、「計画されているPhase Iの治験はアフリカで行われるようで、かなり大規模なものになるようだ…」といううわさもあるようです。

開発が進められているこのACAM-529は、他人への感染だけでなく既感染者の治療も対象としていることから、今後の研究の発展を大いに期待したいところです!Sanofiは資金も十分にある大きな会社なので、是非先に進めてほしいと思います。

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