2017年1月16日月曜日

ヘルペス治療 最終兵器(1)

以前、「ICP0 HSVワクチン研究」というタイトルで、2つほど記事をUPしていました。

 *過去にUPした二つの記事は、以下のリンクからアクセスしてください。

  https://houseofherpesians.blogspot.jp/search/label/ICP0


過去に書いた記事でも説明していたと思うのですが、ICP0 HSVワクチンは今現在開発が進められているワクチンとは全く方向性が異なるものとなっており、その違いは以下の2点にまとめることができます。


  • 現在開発が進められているワクチン(例えば、HerpVなど)

    HSVウィルスを構成するタンパク質の中で特徴的かつ無毒なものだけを取り出し、ワクチンとして体内に注入する。

    したがって、「HSVウィルス・タンパク質の一部がワクチンを構成する」

    のですが…、
  • ICP0 HSVワクチン(現在は別名で開発中!)

    HSVウィルスを構成するタンパク質の中で、毒性を表すものだけを切り取ることで無毒化し、ワクチンとして体内に注入する。

    したがって、「ワクチンを構成するタンパク質とHSVウィルスはほぼ同じ」

単純に言えば、「現在一般的に開発されているワクチンは、ウィルスの一部分をコピーした図案を基に作られたもの」であるのに対して、「ICP0は、ウィルスをほぼフルコピーした図案を基に作られたもの」として考えることが出来るでしょう。

このような ICP0 HSVワクチンなのですが、開発者である Halford博士(南イリノイ大学医学部)が2014年ごろから立ち上げた「Rational Vaccines」という会社を中心に開発が進められています。


当初は、研究費用を寄付してもらうことを目的としていたようですが、資金が集まるにつれて本格的に研究・開発を進めていくようになったようです。

昨年ごろからは、「ICP0」というコードネームを「TheraVax」、「ProfaVax」という名称に変更し、HSV ABVIC TEST(HSVのタイプを識別するための検査方法)と共に研究・開発を進めているようです。

ここで、特に TheraVaxとProfaVaxについて説明をまとめてみます。

  • TheraVax

    TheraVaxはHSV1もしくはHSV2にすでに感染している方を対象としたワクチンで、いわゆる「治療」を目的としたものです。同ワクチンについて解説しているホームページを見ると、HSV1用とHSV2用の2種類のワクチンが開発されているようで、それぞれHSVウィルスが持つタンパク質の99%以上で構成されているようです。
  • ProfaVax

    ProfaVaxはHSV1もしくはHSV2にまだ感染していない方を対象としたワクチンで、いわゆる「予防」を目的としたものです。TheraVaxと同じく、HSV1用とHSV2用の2種類のワクチンが開発されているようで、それぞれHSVウィルスが持つタンパク質の99%以上で構成されているようです。
TheraVaxに関しては、最近、小規模な治験が行われたようです。結果については別に書きます!ProfaVaxについては、TheraVaxの治験が完了してから治験を開始するようですので、まだまだ先になるかと思います…。

これら2種類のワクチンが認められて、たくさんの人がワクチン接種を受けれるようになれば、ヘルペスが関係する病気・症状はほとんどなくなってくると考えられます。

やっと、現実的に「希望」と呼べるものが出てきたようです!アメリカでの承認が先なので、まだまだ時間はかかるでしょうが…、この研究・開発が日本でも承認される日が来ることを切に願う次第です…。

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