2017年6月23日金曜日

GSK 帯状発疹ワクチン Singrex 日本上陸か?



「次回はワクチンリストの解説をします…」と言っておきながら…、リサーチに時間がかかっておりまして…、それでちょっと(時間稼ぎに…)別の情報提供をしたいと思います。

今回の投稿は、性器ヘルペスではなく、結構お年寄りとかが苦しんでいる「帯状発疹」についてであります…。

帯状発疹は、性器ヘルペスとよく似たヘルペスウィルス(水疱瘡を引き起こすウィルス:VZV)が原因となっているものですが、性器ヘルペスと同じように、水疱瘡が治まってからは神経節内に不活性化したままひっそりと潜んでいて、体力と免疫力が落ちてくると「オリャァッ!」とばかりに暴れ出す、とっても厄介な病気です… (;・∀・)

(1)水疱瘡 二十歳後でも ご用心 

小さい頃に誰もが水疱瘡にかかったことがあると思うんですが、私は小さい頃だけでなく…、大学2年生の時にも感染しました

そりゃぁもう、同級生からは

  「大学生で水疱瘡やて…、おこちゃまやなぁ…プププッ…」

 と笑われましたよ…"(-""-)"

その時に「小さい時に、水疱瘡になったことあるよね?」と母に確認したら…、

  「さぁ、どうだったかしらねぇ…。3人目ともなると、覚えてないのよ…」

という、なんと理不尽なお答えを頂いたことを覚えております…。まぁ、3人目なんて、こんなもんなんでしょうね… 涙 ( ;∀;)

まぁ、これらの前ふりはどうでも良いんですが…、水痘ワクチンにはどうやら有効期間があるようでして、看護婦さんらの話によると(こちらでも見れます)最長でも15年ぐらいのようなので、私のように20歳過ぎぐらいに再び水疱瘡にかかってしまうケースはあるようなんです。

ですから、一度、水疱瘡にかかったから、まぁ、自分は大丈夫!なんて思わないことですね☆


(2)で、帯状発疹については…、どうなの?

先にも書いたように、帯状発疹は神経節に隠れている水疱瘡ウィルス(VZV)が再活性化することで出てくるんですが…、これがまた…、

  痛いんですよ… (´・ω・`)

私は35歳ぐらいの時に帯状発疹になったんです…。最初はそうでもなかったんですが、次の日ぐらいから「痛くて眠れなくなった…」んです。それで、病院に行ったら、「帯状発疹です」と診断されて、バルトレックスのお世話になったわけなんです…。

帯状発疹については、色んなサイトに情報が掲載されていると思います。ここでは、「湿疹・皮膚炎の知識」さんで紹介されていた情報を基に症状などについてまとめてみました☆

帯状疱疹の症状
神経節に潜むウィルスが原因なので、体の神経の通っている部分に症状がでる特徴があります。
主に、わき腹から背中にかけて症状が出ることが多く、左右どちらかに症状が出始めます。
初期症状では湿疹や水ぶくれなどは見られず、ピリピリとした痛みから症状があり、その後湿疹や水ぶくれなどの症状が現れ、帯状に症状が広がります。
症状が現れている部分は、痒みと痛みを伴い、1ヶ月近く症状が出続ける場合もあります。
また、水ぶくれや湿疹などの症状が治まっても、痛みだけは長期間続く場合があり帯状疱疹後神経痛といわれます。
帯状疱疹が顔に出たら要注意
顔にも発症する可能性のある帯状疱疹ですが、顔面神経痛や失明などの危険がありますので、顔や耳の近くの首などにも水ぶくれや湿疹が出た場合には、再度病院にて診察を受けるようにしましょう。

(3)で、何が問題なの?今回のワクチンはどんなものなの?

ただ、注意しておかないといけないのは…、帯状発疹は重篤化するケースも多くあるようでして、先の引用にもあるように、顔面神経痛や帯状疱疹後神経痛、それに失明のケースなども多くあるようです。私の場合は幸い重篤化はしませんでしたが、すぐ近くのお年寄りで帯状発疹後の神経痛に悩まされている方もいらっしゃるので、油断はできないですね…。

それで、今回ご紹介するワクチンなんですが…、
GSK グラクソ・スミスクライン株式会社が開発を進めている「Shingrix」という帯状発疹用ワクチンで、どうやら2017年4月に新薬として日本で申請をした
らしいんです!

 Singrix というワクチンに関しては、m3.comさんの記事(記事へのアクセスはこちらから)に詳しく書いてありましたので、以下の引用をご参照ください (^^♪


帯状疱疹ワクチン候補P3で90%に有効
2016年10月6日
英グラクソ・スミスクラインは9月14日、開発中の帯状疱疹ワクチンであるShingrix(TM)による第3相プラセボ対照比較試験(ZOE-70試験)の結果を公表し、70歳以上の成人において接種から4年目時点でも90%の有効性が維持されたと発表した。同結果は「New England Journal of Medicine」に掲載されている。
Shingrixは、帯状疱疹とその合併症の予防を目的としたアジュバント添加サブユニットワクチン。帯状疱疹を引き起こす水痘・帯状疱疹ウイルス上に存在するタンパク質である糖タンパクEと、抗原に対する免疫反応を促進するアジュバントAS01Bを組み合わせたワクチンだという。
ZOE-70試験は、70歳以上の成人約14,800人が参加した、無作為化、観察者盲検、プラセボ(生理食塩水)対照、多施設、多国間共同(北米、欧州、ラテンアメリカ、アジア太平洋地域)第3相臨床試験で、Shingrixは筋肉内注射により2か月間隔で2回接種した。主要評価項目は、帯状疱疹発症リスク低減におけるプラセボと比較したShingrixの全般的な有効性。なお、ZOE-70とZOE-50(50歳以上の成人が対象)の併合解析では、70歳以上の成人において、帯状疱疹に加え、最もよくみられる合併症である帯状疱疹後神経痛の発症リスク軽減も主要評価項目の指標としているという。
同試験の結果、プラセボと比較して90%の有効性(95%信頼区間:84~94%)が示され、70~79歳では90%(95%信頼区間:83~94%)、80歳以上では89%(95%信頼区間:74~96%)と、さまざまな年齢層で有効性が維持されたという。
この結果は、昨年発表された50歳以上の成人で97%の有効性を示したZOE-50試験の結果と一致するもの。さらに、両試験から得たデータの併合解析では、70歳以上の成人においてワクチン候補接種によりプラセボと比較して91%の有効性が示され、接種から4年目時点においても帯状疱疹の発症リスクが88%減少と、有効性の持続が確認されたという。さらに、両試験の統合解析では、Shingrixの帯状疱疹後神経痛予防効果に関して、70歳以上の成人では89%の有効性、50歳以上の成人では91%の有効性を示したという。
この結果および以前に報告されたZOE-50試験のデータに基づき、GSKは50歳以上の成人における帯状疱疹の予防を適応として、Shingrixの承認申請を年内より各国で開始する予定としている。


「70~79歳では90%(95%信頼区間:83~94%)、80歳以上では89%(95%信頼区間:74~96%)」に効果があったというのは、スゴイですよね!開発に使っている技術に関しては、HSV2でもよく使われる DNAサブユニットワクチンのようなんですが、何で帯状発疹には効いて、HSV2には同じやり方が効かないんでしょうかねぇ… (# ゚Д゚) う~ん、おじさんは納得が出来んゾ!

まぁ、今回は帯状発疹がテーマなので話を元に戻します…。

そこで、今回見つけてきた記事なんですが、GSK England が自身のホームページに掲載しているもの(元記事はこちら)でして、最初の部分で次のように書いてあるんです。

18 April 2017
GSK announces regulatory submission in Japan of its candidate vaccine for prevention of shingles
Follows regulatory submissions in US, EU and Canada

Issued: London UK

GSK [LSE/NYSE: GSK] today announced that Japan Vaccine Co., Ltd., a joint venture of GlaxoSmithKline and Daiichi Sankyo Co., Ltd., submitted a New Drug Application in Japan seeking approval for the candidate shingles vaccine, Shingrix, for the prevention of herpes zoster (shingles) in people aged 50 years or over. The candidate vaccine is a non-live, subunit vaccine developed to help prevent shingles and its complications.

The regulatory submission for the candidate vaccine is based on a comprehensive phase III clinical trial programme, evaluating its efficacy, safety and/or immunogenicity in more than 37,000 people in 18 countries, including Japan. The phase III clinical trial programme showed that by reducing the incidence of shingles, the candidate vaccine also reduced the overall incidence of postherpetic neuralgia (PHN), a form of chronic pain associated with shingles. Regulatory approval is being sought for the vaccine to be given intramuscularly in two doses.

本文中のイタリックは 私が追加したものですが…、いやぁ、ハッキリと

  本日付で日本での新薬承認申請を提出しました

と書いてありますよね!(^^)/

一瞬、「日本での治験Phase 3をするのかなぁ…」とも思ったのですが、よくよく見ると、「日本での治験をすっ飛ばして、イキナリ承認申請」を行うようですね!それだけ、結果に自信があるということなんでしょうか。

ただし、注意して頂きたいのは、このワクチンはおそらく「予防」のためのものなので、感染・発症後接種しても効果がないのでは…、と思います。承認された暁には新聞記事などにもなるかと思いますが、是非、機会がある時にでも、かかりつけのお医者さんに「シングレックスっていう帯状発疹用のワクチンが出たと思うんですが、それって感染してからも大丈夫ですか?」と確認をしてみてください。


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いやぁ、今回は性器ヘルペスとは全く関係のない「帯状発疹」についての情報をリサーチ&報告してしまいましたが…、正直なところ…

  うらやましいなぁ…

と思いましたね… (´・ω・`)

帯状発疹に関しては、結構研究・開発がトントン拍子で進んでいる(ように見えるだけ?)のに、性器ヘルペスに関しては、なかなか進まないんですからね…。なんか、う~ん、フラストレーションがたまりますよね…!

「少子化が問題だ!何とかしなきゃ!」と言ってる割には、こういう性感染症に関しては手が遅いような感じがしますよね…。タブー視しているからなのか、それとも「安易に薬を作ると感染を広めてしまう」という危惧があるからなのか分かりませんが、こういう障害を少しでも少なくしていくことが、少子化対策の一つになるのかもしれないですよね…。

「う~ん」と考えてしまいましたが、同じヘルペスウィルスに対抗するための有効なワクチン開発が現実のものとなった点では、

  とっても良かったなぁ!(^^)/

と思います☆

希望は十分にあると思いますので、私たちも前を向いて生きてまいりましょう☆(^^♪



次回は、頑張って「ワクチンリスト解説 第14弾」をUPするハズ…
ですので、ご期待くださいませ…♪


では、また次回の投稿でお会いしましょう☆(^^♪(^^)/



3 件のコメント:

  1. 素晴らしい記事をありがとうございます。

    今回の記事と関係ないことで申し訳ないのですが、Theravaxについて質問したいことがございます。
    銭形様は、開発者の体調について気にされているようですが、Theravaxについてはすでに完成しているはずです。
    であるならば、仮に開発者に何かあっても、周囲にいる関係者が承認を目指して動いてくれるのではないでしょうか。

    ぜひ、この件について銭形様のお考えをお聞かせいただきたいです。

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  2. コメント、ありがとうございます。(^^♪
    この件につきましては、今日の投稿を返信とさせて頂きたいと思います…。
    よろしくお願いいたします。

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