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2017年5月9日火曜日

ASP2151 Amenamevir 研究最前線!

銭形です!

少し前に Amenamevir(ASP2151)について書かれている論文をダウンロードしていたのですが、ちょっと専門的過ぎて…(汗)、読むのをついつい先延ばしにしておりました…。

今日は、久方ぶりに「オッシャァー!」とやる気になったので、一挙にガガッ!と読んでみました ( `ー´)ノ

如何せん、専門分野ではないので、誤解している部分もあるかと思いますが、もし薬化学を専攻されている方がいらっしゃいましたらご指摘&ご助言をお願いします m(__)m

まぁ、前置きはこのくらいにしておいて…、

今回、ご紹介する論文は、

Integrative pharmacokinetic-pharmacodynamic modeling and simulation of amenamevir (ASP2151) for treatment of recurrent genital herpes

というタイトルのもので、2016年に出版されたものです☆(^^♪

ちなみに筆者は全員日本人の方で、アステラス製薬&京都薬科大の先生方が書かれています。




論文は有料みたい (´・ω・`) なので、頑張って購入して読んでみました☆


(1)研究の目的

今回の論文は、タイトルにもあるように ASP2151 に関するものです。

  「ASP2151 って何やねん?」

という方は、このブログにいくつか記事をのせていますので、そちらを参考にしてください(^^♪

まず、薬の安全性や効果を測定するためには、マウスやサルなどの動物を使って実験をするわけですが、性器ヘルペスの場合にはギニーピッグ(写真参照 かわいいですよねえ…)を良く用いるようです。





どうやら、この研究チームは以前にギニーピッグを使って、「ASP2151の薬剤がどの程度血液中に溶け込んでいるか」ということを調査したようなんです!そうしたところ、まぁ、予想通り、下の図のように、薬剤の濃度によって効き目に変化が見られたわけです☆




  • 投薬は5日間
  • 縦軸:症状の重症度(0=全く症状なし)
  • 横軸:投薬後の日数
  • 線の種類:
     黒丸 = 投薬なし
     白△ = 1mg/kg
     黒▲ = 3mg/kg
     白 □ = 10㎎/kg
     黒 ■ = 30㎎/kg


ところが、人間に対して同じような調査をしてみると…、下の図のように、薬剤の濃度を変えてみても、さほど大きな変化が見られなかったわけなんです… (´・ω・`)



  • 投薬は3日間
  • 縦軸:症状の重症度(0=全く症状なし)
  • 横軸:投薬後の日数
  • 線の種類:
     黒丸 = 投薬なし
     白△ = 100mg/kg
     黒▲ = 200mg/kg
     白 □ = 400㎎/kg
     黒 ■ = 1200㎎/kg

普通は…、

  「薬の量を増やせばそれだけ効くんじゃないの…」

と考えるんでしょうが、やっぱり人体は不思議なんですねぇ…。

ギニーピッグと比べて人間の免疫システムは複雑なので、同じような感じにはならないんですね…!

当然のことながら、

  「何でやねん?」"(-""-)"

となるわけで…、

この研究チームは、その仕組みを解明するために、色々な数式モデルを作成して検討を加えたわけなんです…!


(2)結果はどうなの?

数式モデルがいくつか出てくるんですが、ちょっと数学は算数レベルの知識しか持ち合わせておりませんので…(汗)、全く分かりませんでした(というか、歯が立ちませんでした!)。

ですが、まとめとしては…、

In humans, the PD effect was almost dose-independent, and immune system-related healing was likely the driving force behind reductions in lesion scores. These findings suggest that the drug effect may be masked in diseases healed by the immune response, such as genital herpes. Therefore, the PK/PD model proposed in the present study will be particularly useful for explaining the PK/PD relationship of drugs used to treat self-cured diseases.

という部分に書いてあるようでして、簡単にまとめてみると…、


人間の場合には、薬剤の濃度と効果はあまり関係がないが、これは症状を緩和する際に免疫機能が大きく関係しているからであり、薬剤の効果がそれによって表に現れにくくなっている。 

ということのようです。

Wiki様によると、今回、研究の手法として採用されている pharmacokinetic/pharmacodynamic model は「薬物動態・薬力学モデル」と訳され、薬物の作用を体内動態と薬効強度の組み合わせとして解析する理論のようです。「薬剤の濃度と効果の関係」は薬力学の分野のようですが、やはり「吸収された薬剤がどのように作用するのか」ということも同じく重要なわけで、この点からしても薬物動態学と薬力学を組み合わせた手法がこのような研究にはベストなのでしょうね…。


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ちなみに、読者の中には…、

  「何でこの研究が必要なんやねん?」(´・ω・`)

と思われる方もいらっしゃるでしょうが…、

実はこの研究は、

  ASP2151 の実効性を測定&証明する際にとっても重要なカギになる

と思われるんです!

というのも、先の(b)図で示したように、

  ASP2151 は、投薬濃度を変えても効果に差が出にくい

ので、その薬効を証明することが難しいわけです…。ところが、今回研究チームが発見した数式モデルを使うことで、「この薬を使うと、HSV2の活動&排出をこのくらい抑えることができますよ」ということを証明することが可能となってくるわけです☆(^^♪

こういう地道な研究が1つの薬を作っていくわけですね!


是非、頑張ってもらいたいと思います!(^^)/



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